【濡れた髪にアイロンはNG?】ビビリ毛になる原因と、水分・熱・ダメージの関係を美容師が解説
朝のお出かけ前に、ストレートアイロンやコテを使って髪をセットする方は多いと思います。
そんな中、今回お伝えしたいのが、
「髪が少し濡れている状態で、アイロンを使っても大丈夫?」
というお話です。
結論から言うと、濡れた髪に通常のストレートアイロンやコテを使用するのは、基本的にNGです。
特に注意していただきたいのが、ヘアカラーやブリーチ、縮毛矯正などを繰り返しているダメージ毛です。
実は、髪のダメージ状態によって、同じ水分量・同じアイロン温度でも、毛髪への影響が変わることがあります。
今回は、髪の内部構造にも触れながら、なぜ濡れた髪へのアイロンが危険なのかを解説していきます。
■ ドライヤーとアイロン。同じ熱なのに何が違う?
髪を乾かすときには、ドライヤーを使用しますよね。
ドライヤーもアイロンも熱を利用する道具ですが、大きな違いがあります。
ドライヤーは、温風を使って水分を蒸発させるもの。
一方、ストレートアイロンやコテは、高温のプレートや金属部分を髪に直接接触させるものです。
ドライヤーの吹出口付近の温度は製品や設定によって異なりますが、実際に髪へ届く熱は距離や風量などによっても変化します。
それに対してストレートアイロンは、設定によっては180℃前後、あるいはそれ以上の高温プレートを髪に直接当てます。
濡れた髪に高温のプレートを接触させると、残っている水分が短時間で急激に加熱されてしまいます。
ここが注意すべきポイントです。
■ 髪の内部で起こる「水蒸気爆発」とは?
例えば、熱したフライパンに水を落とすと、
「ジュッ!」
という音とともに、水が勢いよく蒸発しますよね。
これは熱したフライパンに水をかけた時に勢いよく蒸発する水分と同じような現象です。

濡れた髪に高温のアイロンを使用したときにも、これに似た急激な水分の気化が起こることがあります。
美容業界では、こうした現象を分かりやすく「水蒸気爆発」と表現することがあります。
毛髪内部に残った水分が急激に加熱されることで、内部に気泡状の空洞が生じる損傷は、**「バブルヘア」**としても知られています。
このような損傷は、毛髪の強度低下や切れ毛などにつながる可能性があります。
特に、
アイロンを通したときに「ジュッ」と音がする場合は要注意。
髪に残った水分が急激に蒸発している可能性があります。
ただし、音がしなければ安全というわけではありません。
通常のアイロンは、必ず髪を十分に乾かしてから使用しましょう。
■ 髪の水分には「自由水」と「結合水」がある
ここで少し、毛髪科学のお話をします。
髪の水分を理解するうえで重要なのが、自由水と結合水です。
【自由水】
毛髪の内部や表面に存在する、比較的移動しやすい水分です。
お風呂上がりに髪が濡れていたり、タオルドライ後も湿っていたりする状態では、こうした水分が多く存在しています。
【結合水】
毛髪のタンパク質などと相互作用し、比較的動きにくい状態で存在している水分です。
毛髪の水分状態や柔軟性にも関係しています。
ただし、健康毛には結合水だけ、ダメージ毛には自由水だけが存在するわけではありません。
どちらの髪にも水分は存在し、毛髪の構造や周囲の湿度によって、その状態は変化します。
ここで覚えていただきたいのは、
「髪が潤っていること」と「髪が濡れていること」は違う
ということです。
■ 健康毛とダメージ毛では、なぜ結果が違うのか?
今回、特にお伝えしたい内容がここです。
髪の毛は、表面のキューティクルだけでできているわけではありません。
内部には、コルテックスと呼ばれる部分があり、その中にはケラチンタンパク質などが存在しています。
また、毛髪内部の細胞同士の間には、CMC(細胞膜複合体)と呼ばれる構造があります。
CMCは脂質やタンパク質などから構成され、毛髪内部の物質移動にも関係しています。
健康な髪では、こうした構造が比較的保たれています。
一方、ヘアカラーやブリーチ、縮毛矯正などの化学処理を繰り返すことで、キューティクルやCMCを含む毛髪内部の構造が変化することがあります。
その結果、毛髪の親水性や水分の移動・保持の仕方が変わり、ダメージ部分が乾きにくく感じられる場合があります。
つまり、同じように乾かしていても、根元と毛先では残っている水分の状態が違う可能性があるのです。

■ ダメージ毛に「水分+高温アイロン」が危険な理由
毛髪科学の考え方のひとつとして、ダメージによってCMCを含む内部構造が変化すると、水分が移動しやすくなる可能性が指摘されています。
そのような状態の髪に高温のアイロンを使用すると、残った水分の急激な気化と熱による負担が重なり、深刻な損傷につながるおそれがあります。
例えば、健康毛とブリーチを繰り返した毛先。
同じ180℃のアイロンを使用しても、髪の強度や内部構造が違うため、同じ結果になるとは限りません。
ただし、健康毛であれば濡れた状態でアイロンをしても安全、という意味ではありません。
特にダメージ毛では注意が必要ですが、健康毛も含め、濡れた髪への通常の高温アイロンは避けるべきです。
■ 「ビビリ毛」は水と熱で起こる?
美容室で使われる言葉に「ビビリ毛」があります。

髪がチリチリと縮れたり、弾力や強度を失ったり、濡れると異常に伸びやすくなったりするような、深刻な毛髪ダメージを指す言葉です。
ビビリ毛の発生には、水分と熱が大きく関係するケースがあります。
特に、すでに化学処理によって弱くなった髪へ、残留水分がある状態で高温のアイロンを使用することは、避けたい条件のひとつです。
ただし、ビビリ毛の原因は水分と熱だけではありません。
過度な還元、アルカリ処理、ブリーチによる酸化ダメージ、アイロンの温度や操作方法など、複数の要因が関係することがあります。
大切なのは、
「水分・熱・薬剤・毛髪のダメージ状態」が重なることで、大きな損傷につながる場合がある
ということです。
そして、一度深刻に損傷した髪を、トリートメントなどで完全に元の健康毛へ戻すことはできません。
だからこそ、ダメージを起こさないための予防が重要になります。
■ 毎日のアイロンが、次回の縮毛矯正に影響することも
ここは、美容師として特に知っていただきたいところです。
例えば、毎朝ストレートアイロンを使用している方。
その場では髪がまっすぐになり、ツヤも出て、綺麗に見えているかもしれません。
しかし、毛先が乾ききっていない状態でのアイロンや、必要以上に高温・高頻度の熱処理を繰り返していると、毛髪内部に負担が蓄積している可能性があります。
そして、次回の美容室でヘアカラーやブリーチ、縮毛矯正を行った際に、ダメージが大きく表面化することがあります。
もちろん、施術中に髪が傷んだ場合、担当美容師には毛髪状態を診断し、適切な薬剤や施術方法を選ぶ責任があります。
ただ、髪の状態は美容室での施術履歴だけで決まるものではありません。
普段のアイロンの使い方も、次の施術を考えるうえで重要な毛髪履歴のひとつです。
KOTKAでは、カラーや縮毛矯正の履歴だけでなく、日常的なアイロンの使用頻度や温度なども確認しながら施術を考えています。
■ 自宅でアイロンを使うときの5つの注意点
では、毎日アイロンを使用する方は、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
① 髪をしっかり乾かしてから使用する
最も大切なポイントです。特に乾きにくい毛先まで確認しましょう。
② 必要以上に高温にしない
180℃や200℃が必ずしも適切とは限りません。髪質やダメージ状態に合わせた温度設定が重要です。
③ 同じ部分に何度も通さない
繰り返し熱を当てることで、毛髪への負担が増える可能性があります。
④ 一か所に長時間当て続けない
温度だけでなく、熱を加える時間も重要です。
⑤ 「ジュッ」と音がしたら使用を中止する
髪に水分が残っている可能性があります。いったん乾かし直しましょう。
なお、濡れた髪への使用を前提として設計された専用機器については、通常のストレートアイロンとは異なるため、メーカーが指定する使用方法に従ってください。
■ まとめ|今日のアイロンが、未来の髪を左右する
今回お伝えしたかったのは、
「濡れた髪にアイロンを使用することは、思っている以上に危険な場合がある」
ということです。
特にカラーやブリーチ、縮毛矯正などを繰り返しているダメージ毛では、毛髪内部の構造が変化しているため、水分と熱の影響に注意が必要です。
そして、毎日のスタイリングによる負担は、その日にすべて現れるとは限りません。
数か月後のカラーや縮毛矯正で、初めて大きなダメージとして表面化することもあります。
だからこそ、
「今、綺麗に見える髪」だけではなく、「これから先も綺麗でいられる髪」を大切にしてほしい。
KOTKAでは、毛髪のダメージ状態や施術履歴を考慮しながら、できるだけ負担を抑えた薬剤設計・施術を大切にしています。
千葉で縮毛矯正や髪質改善をお考えの方、日常のアイロンによるダメージが気になる方も、ぜひ一度ご相談ください。
千葉駅徒歩8分
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荒谷
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